ケーススタディ

精神論の限界とヒューマンファクター

事故などが起こった際、「気のゆるみ」や「不注意」など、原因を個人の問題と捉え、個人の意識向上で再発防止を行っていくという元来からの考え方がありますが、人間の精神力や根性に訴えるヒューマンエラー対策には限界があります。
人間の生まれながらの特性と環境の関係を重視し、人間中心のシステムの構築を行う「ヒューマンファクター」によって、エラー対策やパフォーマンスの向上を行っていくことが近年注目されています。

人間中心のシステムを表現したm-SHELモデル

m-SHELモデルは人間を中心に置き、各要素の周辺を特性や限界を示す波線で表しており、中心にある人間と各要素の波線がうまくかみ合っていないところにヒューマンエラーが引き起こされやすいことを表したモデルです。
(出典 河野龍太郎「ヒューマンエラーを防ぐ技術」)

包括的な情報収集の必要性

元来から行われている典型的な意識啓発活動では、エラーから「個人の問題点」を抽出し、意識の改善を促したり、個人を処分するようなヒューマンエラー対策が行われることがありましたが、ヒューマンファクターではエラーに至る要因を列挙することで要因の連鎖や関連性を調べ、要因の連鎖を断ち切るようなヒューマンエラー対策がなされることがあります。

個人の処分や意識啓発による典型的なエラー対策 FTAによるヒューマン対策はインシデントの収集が不可欠

ヒューマンファクターによる積極的な利益誘導

ヒューマンエラーを抑制するため、様々な事象を分析していくことは、単に事故や失敗など損失への対策という側面だけではなく、非効率な部分を抽出して改善をしたり、相対的なパフォーマンスの向上に寄与するといわれています。

ヒューマンファクターに利益向上に寄与する

過酷な労働環境改善の必要性

建設業は長時間労働が常態化していると言われており、長時間労働から生じる睡眠不足などは、事故の発生を誘発したりパフォーマンスの低下を助長していると考えられます。

長時間の残業が常態化している建設業

連続起床時間とアルコールによる脳機能抑制との対比が実験されたデータが公開されており、睡眠不足は相当量のアルコール摂取と同様のパフォーマンス低下が起きることが分かっています。

連続起床時間とアルコールによる脳機能抑制との対比

データによると、24時間連続で働いている人のパフォーマンスは、ビール大瓶2本程度のアルコール(血中アルコール濃度0.10%)を摂取した人と同程度のパフォーマンスであることが分かります。

地域の防犯概要ページ 現場の管理 概要ページ

お気軽にお問合せ下さい

  • 資料請求
  • お問合せ

キャンペーン実施中

導入サポート

プレビュー